抵当権抹消登記

休眠担保権の抹消

1 休眠担保権とは

・明治、大正又は昭和初期から中期にかけて設定され、そのまま放置されたままになっている古い抵当権や担保権(質権、根抵当権)で 、抵当権者等との連絡がとれなかったり所在が不明であったりして、休眠状態となっている担保権のこと

2 休眠担保権の抹消方法

(1)原則

・抵当権の抹消は抵当権設定者と抵当権者が共同で申請するのが原則である

 

(2)例外

・抵当権者などの担保権者と連絡が取れないなど所在不明で共同申請ができなかったり、非協力的で共同申請ができない場合の方法

 

①訴訟を提起する

・担保権者またはその相続人の中に非協力的な人がいて、共同で担保権の抹消手続ができないときには、抹消登記手続請求訴訟を提起します

・担保権者が行方不明の場合には、公示送達により訴状の送達を行いますが、行方不明であることを証明するために、戸籍や住民票の収集など行方不明者の調査が必要であり時間がかかる。

 

②除権決定を受ける

・担保権者が行方不明であり、担保の消滅を証明する資料が揃っている場合、除権決定を申し立てる方法

・担保権消滅の証明が難しく利用されることは少ない

・債権が時効により消滅しているときには、まず公示催告により時効援用の意思表示をし、その後に除権決定の公示催告を申し立てるため時間がかかる。

 

③債権額の全額を供託する

・担保権者が行方不明であり、被担保債権の弁済期から20年が経過していて、被担保債権額、利息、損害金の全額を供託することにより抹消する方法

・古い担保権であり債権額が低額であるため、全額の提供が負担にならない場合に行われる

 

④完済した資料を提出する

・担保権者が行方不明であり、被担保債権の全額を完済していて、その証明ができる場合

・完済をしょうめいするのが難しい

 

*行方不明者の調査は戸籍・住民票の請求はやっていたほうがいい

聞き込みまでは不要だろう

債権受領催告を配達証明書付き内容証明郵便で送り、不到達証明を添付する