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居住用財産の買換の特例

居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の特例

1 概要

居住用の住宅を売って、新しい住宅に買い替えた時には、住宅の譲渡所得の一部課税を将来に繰り延べることができる制度である。

 

①買換資産の取得価格≧譲渡資産の収入金額の場合

譲渡はないものとみなす(非課税)

 

②買換資産の取得価格≦譲渡資産の収入金額の場合

譲渡資産の収入金額ー買換資産の取得価格=総収入金額

 

2 計算

1.買換資産の取得価格≧譲渡資産の収入金額の場合

①譲渡所得の金額

譲渡はないものとみなす(非課税)

 

②買換資産の付すべき取得価格

(譲渡資産の取得費+譲渡費用)+(買換資産の取得価格ー譲渡資産の収入金額)

 

2.買換資産の取得価格≦譲渡資産の収入金額の場合

①譲渡所得の金額

総収入金額(A)=譲渡資産の収入金額ー買換資産の取得価格

 

取得費・譲渡費用

(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×(A÷譲渡資産の収入金額)

 

買換資産の付すべき取得価格

(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×(買換資産の取得価格÷譲渡資産の収入金額)

 

3 条件

1.自己の居住用家屋または家屋と共に敷地等を売ること

2.売った年、その前年及び前々年に3000万円の特別控除または軽減税率の特例等を受けていないこと

3.収用等の特別控除3000万円を受けないこと

4.売却代金が1億円以下であること

5.居住期間が10年以上、建物土地の所有期間が10年以上

6.買換資産の建物の床面積が50㎡以上、土地が500㎡以下であること

7.売却年および前年、翌年の3年間に買うこと

8.買換建物が中古の耐火建造物の場合、築25年以内であるか、一定の耐震基準を満たすこと

9.買換建物が中古で耐火建造物以外である場合、築25年以内であるか、一定の耐震基準を満たすこと

10.親子や夫婦などに売ったものではないこと

 

居住用財産の譲渡所得の特別控除

1.概要

居住用財産を譲渡した場合、譲渡所得から最大3000万円を控除することができる制度

 

2.控除順序

まず、短期譲渡所得から控除し、控除しきれない場合に、長期譲渡所得から控除する(最大3000万円まで)

 

3.適用除外

①配偶者、直系血族等特別の関係があるものに対して譲渡した場合

②交換、収用等の特例、特定事業用資産の買換の特例の適用を受けた場合

 

4.同一年に2以上の特別控除を受ける場合

控除限度額:5000万円

控除額の多いものから控除する