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減価償却

減価償却とは

車、機械、備品等の固定資産であり10万円以上の価格で複数年使用する物を購入した時に、購入した年に購入費用を経費として全額を計上することはできず、使用期間(耐用年数)に渡って、分割して経費として計上していくことになります。

これを減価償却といい、毎年の減価償却費の価格の決め方には、定額法、定率法、級数法(年数総和法)及び生産高比例法の4種類があります。

 

1定額法   固定資産の耐用期間中、毎期均等額の減価償却費を計上する

2定率法   固定資産の耐用期間中、毎期首未償却残高に一定率を乗じた減価償却費を計上する

3級数法(年数総和法)固定資産の耐用期間中、毎期一定の額を算術級数的に逓減した減価償却費を計上する

4生産高比例法    固定資産の耐用期間中、毎期当該資産による生産又は用役の提供の度合いに比例した減価償却費を計

           上する

 

日本の税法上は、定額法、定率法及び生産高比例法の3つを認めている。

また平成19年税制改革が行われたため、平成19年4月1日以降の取得資産とそれ以前に取得した財産の償却方法が異なることになっている。

 

選択できる償却方法は資産の種類によって決められている

・建物:定額法

・建物附属設備及び構築物:定額法

・機械及び装置、船舶、航空機、車両運搬具、工具機器備品:定額法または定率法(法人は定率法のみ)

・鉱業用減価償却資産(建物、建物附属設備及び構築物):定額法、または生産高比例法

鉱業用減価償却資産(上記以外):定額法、定率法または生産高比例法

・無形固定資産及び生物:定額法

・鉱業権:定額法または生産高比例法

・リース資産:リース期間定額法

 

定額法と定率法による減価償却

 

定額法

(1)旧定額法(平成19年3月31日以前)

1.次の式で求められる金額を償却限度額とする

償却限度額=(取得価格-残存価格)×旧定額法の償却率

残存価格は以下の計算で求める

残存価格=取得価格×耐用年数省令別表第十一に規定されている残存割合

2.償却累積額が取得価格の95%に到達した年の償却額は、95%を超える部分を控除する

3.2の年以降の償却額は以下の計算で求める

償却限度額=(取得価格-取得価格の95%-1円)×(各事業年度の月数÷60)

 

(2)定額法(平成19年4月1日以降)

次の式で求める減価償却限度額を求め、残存価格1円になるまで償却する

償却限度額=取得価格×定額法の償却率

 

定率法

(1)旧定率法(平成19年3月31日以前)

1.次の式で求められる金額を償却限度額とする

償却限度額=期首帳簿価格×旧定率法の償却率

2.償却累積額が取得価格の95%に到達した年の償却額は、95%を超える部分を控除する。

3.2の年以降の償却額は以下の計算で求める

償却限度額=(取得価格-取得価格の95%-1円)×(各事業年度の月数÷60)

 

(2)定率法(平成19年4月1日以降)

はじめのうちは調整前償却額で償却し、その額が償却保証額に満たなくなった年以後は改定取得価格に改定償却率をかけて一定の額を償却する

1.調整前償却額と償却保証額を求める

調整前償却額=期首帳簿価格×償却率

償却保証額=取得価格×耐用年数に応じた保証率

2.1の計算を比較する

①調整前償却額≧償却保証額の場合

償却限度額=調整前償却額

②調整前償却額<償却保証額の場合

償却限度額=改定取得価格×改定償却率

*改定取得価格は期首未償却残高を使う

*改定償却率はその後の償却がが同一となるように耐用年数に応じて決められる