概要
(1)歴史
・法人格のない町内会や自治会等の地縁団体所有の不動産は、代表者個人名義あるいは構成員の共有登記がなされてきた
・平成3年4月に、地方自治法が改正され、地縁団体が市町村長の認可を受けた時は、権利義務の主体となることができる
認可地縁団体制度が生まれた
(2)手続き
①地縁団体の認可の申請をする
②市町村長は異議を述べることができる旨の公告(3ヶ月以上)を行う
③異議が提出されなかった場合、利害関係人の承諾があったものとして、所有権の保存または移転登記が認められる
手続き
1 2つのやり方
(1)相続登記を経由する方法
・共有者の相続人に相続登記を行った後、地縁団体の認可の日をもって「委任の終了」を原因として、所有者を地縁団体とする所有権移転登記を行う
(2)相続登記を経由しない方法(特例)
・地縁団体の認可申請を最初に行い、その後、地方自治法第260条38第1項の「所有不動産の登記移転等に係る公告」を求める申請を行い(3ヶ月以上)、異議がなかった場合その証明書をもって、認可地縁団体が単独で所有権移転登記を行う
2 相続登記を経由しない方法による所有権移転(特例)
(1)条件
①認可地縁団体として登録されたこと
②不動産を10年以上所有の意思をもって平穏かつ公然と占有していること
③不動産の表題部所有者又は所有権の登記名義人の全員が地縁団体の構成員または構成員であったこと
④不動産の登記名義人の所有者または相続人の全部または一部の所在が不明であること
⑤市町村長に「所有不動産の登記移転等に係る公告」を求める申請をし、この公告に異議の申し述べがなかったこと
(2)地縁団体の認可登録申請
・現行の団体規約に基づき総会を開催し、認可申請する旨の決定をする
・認可地縁団体となった時の規約等を同時に決議する
(3)登録後の公告申請に必要な書類
①認可地縁団体が当該不動産を所有していること
・保有予定資産目録
②10年以上所有の意思をもって平穏公然に占有していること
・不動産の所有地に係る実情に精通した者の証言を記載した書面及び資料の入手が困難であった理由を記載した書面
③不動産の登記名義人等が地縁団体の構成員であること又は構成員であったこと
・構成員名簿または名簿の入手が困難な理由を記載した書面及び地域事情に通じたものの証言書面
④登記名義人またはその相続人の全部又は一部の所在が不明であること
・内容証明郵便の不到達証明書など
(4)所有権移転登記
・公告に異議が述べられなかった旨の証明書をもらう
・認可地縁団体単独申請ができる