不動産の売買をしたい。
例えば、不在者財産管理人との間で売買契約をしたいとき、その土地の価格はどのように決めたらいいのだろうか。
不動産評価で用いられる指標には以下のようなものがある
1 公示価格
2 基準地価
3 相続税評価額
4 固定資産税評価額
5 不動産鑑定士の評価額
あまりにも低額での売買を行った場合、贈与とみなされ(みなし贈与)贈与税が課税される可能性があるので適切な価格設定が必要だろう。
一般的には「路線価」「固定資産評価額」を基準に、個別事情を考慮して決めるものらしい。
では「固定資産税評価額」がない場合、どうすればいいのか。
「実勢価格」を調べるものとして国土交通省の「土地総合情報システム」がある。
これは目安とするとしても、事例が少ない場合には、判断が難しい。
「固定資産税路線価」「相続税路線価」「公示価格」を調べるものとしては「全国地価マップ」がある。
これをもとに固定資産税評価額を計算する
1㎡あたりの評価額=固定資産税路線価×面積×時点修正率×奥行補正率
奥行価格補正率表(昭45直資3-13・平3課評2-4外・平18課評2-27外改正)
地区区分
奥行距離
(メートル) |
ビル街地区 | 高度商業地区 | 繁華街地区 | 普通商業・併用住宅地区 | 普通住宅地区 | 中小工場地区 | 大工場地区 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4未満 | 0.80 | 0.90 | 0.90 | 0.90 | 0.90 | 0.85 | 0.85 |
4以上6未満 | 0.92 | 0.92 | 0.92 | 0.92 | 0.90 | 0.90 | |
6 〃 8 〃 | 0.84 | 0.94 | 0.95 | 0.95 | 0.95 | 0.93 | 0.93 |
8 〃 10 〃 | 0.88 | 0.96 | 0.97 | 0.97 | 0.97 | 0.95 | 0.95 |
10 〃 12 〃 | 0.90 | 0.98 | 0.99 | 0.99 | 1.00 | 0.96 | 0.96 |
12 〃 14 〃 | 0.91 | 0.99 | 1.00 | 1.00 | 0.97 | 0.97 | |
14 〃 16 〃 | 0.92 | 1.00 | 0.98 | 0.98 | |||
16 〃 20 〃 | 0.93 | 0.99 | 0.99 | ||||
20 〃 24 〃 | 0.94 | 1.00 | 1.00 | ||||
24 〃 28 〃 | 0.95 | 0.99 | |||||
28 〃 32 〃 | 0.96 | 0.98 | 0.98 | ||||
32 〃 36 〃 | 0.97 | 0.96 | 0.98 | 0.96 | |||
36 〃 40 〃 | 0.98 | 0.94 | 0.96 | 0.94 | |||
40 〃 44 〃 | 0.99 | 0.92 | 0.94 | 0.92 | |||
44 〃 48 〃 | 1.00 | 0.90 | 0.92 | 0.91 | |||
48 〃 52 〃 | 0.99 | 0.88 | 0.90 | 0.90 | |||
52 〃 56 〃 | 0.98 | 0.87 | 0.88 | 0.88 | |||
56 〃 60 〃 | 0.97 | 0.86 | 0.87 | 0.87 | |||
60 〃 64 〃 | 0.96 | 0.85 | 0.86 | 0.86 | 0.99 | ||
64 〃 68 〃 | 0.95 | 0.84 | 0.85 | 0.85 | 0.98 | ||
68 〃 72 〃 | 0.94 | 0.83 | 0.84 | 0.84 | 0.97 | ||
72 〃 76 〃 | 0.93 | 0.82 | 0.83 | 0.83 | 0.96 | ||
76 〃 80 〃 | 0.92 | 0.81 | 0.82 | ||||
80 〃 84 〃 | 0.90 | 0.80 | 0.81 | 0.82 | 0.93 | ||
84 〃 88 〃 | 0.88 | 0.80 | |||||
88 〃 92 〃 | 0.86 | 0.81 | 0.90 | ||||
92 〃 96 〃 | 0.99 | 0.84 | |||||
96 〃 100 〃 | 0.97 | 0.82 | |||||
100 〃 | 0.95 | 0.80 | 0.80 |
これが基本的な計算式だが、土地が角地または准角地の場合、その価値が上がるため、その補正率を加えたものが単位面積あたりの価格となるようだ。
側方路線影響加算率表(平3課評2-4外・平18課評2-27外改正)
地区区分 | 加算率 | |
---|---|---|
角地の場合 | 準角地の場合 | |
ビル街地区 | 0.07 | 0.03 |
高度商業地区 繁華街地区 |
0.10 | 0.05 |
普通商業・併用住宅地区 | 0.08 | 0.04 |
普通住宅地区 中小工場地区 |
0.03 | 0.02 |
大工場地区 | 0.02 | 0.01 |
しかしこの計算で求めた価格で実際に取引されているのだろうか?
不動産の売買価格をもっと低額にして、不在者財産管理人が裁判所の権限外の行為の許可を受けることができるのか、どんな基準で価格を決定すれば裁判所は許可してくれるのかが問題である。
不動産鑑定士の鑑定が必要だとのネット記事を読んだのだが、不動産鑑定が必ず必要なのだろうか?